SANDBIRD

日記

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ。ようやく最終回まで観た。悪くない…どころか、良いじゃん。底辺を這いずり回っていた連中がひと花咲かせて散るまでが、そして新たな種が芽吹くまでが、しっかり描かれている。オルガと三日月、三日月とアトラとクーデリア、ユージンやシノや昭弘たち、マクギリスとガエリオガエリオジュリエッタラスタルやイオク様、死にゆく者と生きのびる者、これほどの群像劇をまとめ上げたんだから、良い評価を受けていいと思うんだよなあ。で、やはり「第一印象とそこから生まれる期待」から本筋がズレたときに、自分の認識を矯正せずに、作品を否定してしまう人が多いのではないかということを、このところずっと考えている。マクギリスは有能な陰謀家という第一印象だったが、実はマクギリスには大義も目標もなく、子供の頃の怨念をずっと社会に向けている人でしたということで、うーん、たとえばコードギアスルルーシュに近い。クーデターは言われるほど失敗しておらず、劇中でも本当に誤算だったと認めたのは、他のセブンスターズの兵を借りられなかったことだけで、セブンスターズを牽制してラスタルとの一対一に持ち込むところまでは想定どおりだったろうし、そこで良いようにやられてしまったのはラスタルが辣腕すぎたからだよなあ。天才的な子供が有能な大人に捻られたというわけで分かりやすい。ラスタルも最初は単純な悪役かと思ったら違ったわけだし、そうやって第一印象からズレてった作品ではあるんだよね。最終回ひとつ前、鉄華団が地球に向かうために侃侃諤諤の議論を繰り広げ四苦八苦してようやく段取りをつけるところで、マクギリスはあっさり宇宙まで出て同志と合流しているというのは、むしろ鉄華団のノウハウの無さというか、そりゃ教育も受けてないし教養もないんだからそうだよね、というかそんな連中にどこまで有能であることを期待するんだっつーか。結局はすり潰される話なんだけどそれでも、という。まあダインスレイヴつよすぎるんじゃねえのってのは思う。