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SANDBIRD

日記

ルーヴルNo.9というのを見てきた。なんかフランスのバンドデシネ作家と日本の漫画家を十数人ほどピックアップして彼らが描いたルーヴル美術館をテーマにした作品を展示している。何となくの感想だけど、フランスの作品は現実と空想を行ったり来たりしながら風刺的に働いているようなところがあるなあ、と思った。ゆきてかえりし。現実に存在するもののスケッチと漫画的なイラストを重ね合わせる表現も多かった。典型的なところではルーヴルの美術品とそれを鑑賞する人々が同じポーズを取っているダヴィッド・プリュドムの「ルーヴル横断」とか。あとはエンキ・ビラルが美術品にまつわる幽霊を妄想する「ルーヴルの亡霊たち」も面白かったな。それに対するところの日本の作品はどこまでも空想が広がっていくというか、開かれていくというか…まあ荒木飛呂彦が言うようにエンターテインメントに徹しているというのもあるのだろうが、たとえば遠い未来にルーヴルの建物が消えて美術品が世界に散乱している…ルーヴルが消えたようでいて実は世界全体がルーヴルそのものになっているという寺田克也の「ルーヴル消失」と、同じく遠い未来のしかし全てが氷に埋もれて文明が失われた世界で、ルーヴルの遺跡から美術品(それが何なのか発掘者たちは理解していない)を発掘しているというニコラ・ド・クレシーの「氷河期」の違いとか。ともあれ展示されているのは作品の一部抜粋でしかないようだったし、ここの数人の作家からバンドデシネ全体を語っても仕方がないのだろう。とりあえずそのように感じたということだけ記しておく。