SANDBIRD

日記

数年後の火星、「姫を殺した謀反人・ザーツバルムを倒した」と嘘をついて皇帝に取り入り、権勢を振るうスレインの姿がそこにはあった。地球の味方はできない。だが火星にはもう姫がいない。何のために生きているのか分からないまま、ただ「姫が生きていたらこうしたに違いない」という自己欺瞞によって、生前の姫が得たはずの権力に固執し、そして自分に楯突く者たちを姫の敵と断じて殺して回る。そんな彼の前に、メカ姫とメカイナホが現れる。姫はスレインの行動を全て否定する。また長く苦しいリハビリをいかにイナホが支えてくれたかを語り、そうしてくれなかったスレインを糾弾する。かつての自分の居場所、すなわち姫の隣をイナホに奪われたことを、いやそれ以上に、姫とイナホが恋人同士であることを見せつけられ、発狂したスレインは、新たに建造された最強のカタフラクトでイナホを殺そうと迫るが、いつもどおりにあっさりと返り討ちにあう。朦朧とした意識の中、スレインは姫の笑顔を目にして(それは火星を壟断する不忠者を粛清できたことの笑みであり、また恋人が無事に敵を打ち倒したことの笑みであった)、自らも満足の笑みを浮かべて死んでいく。アルドノア・ゼロ第二期、完。