SANDBIRD

日記

映画「ジョーカー」。
ストーリーは真に迫っていて自分と重ねるところもあったけど不思議と精神に来ない。
いま自分が抱えている閉塞感と、アーサーの閉塞感は違うな、という感覚はある。
あと、アーサー、最初からけっこう現実的な狂人なんだよね。
フィクション的なヒャッハーな狂人じゃないし、徐々に狂っていくのでもない。
言うなれば「誰にでも起こりうる悲劇」というより「誰かに起こりうる悲劇」という塩梅なんだ。
ウェインもマレーも母親も本当に悪意的な存在なのかわからない。
わからないままアーサーは暴走していく。
狂ってるのは世界か、アーサーか?
ジョーカーのオリジンであると同時にバットマンのオリジンでもあり(いやバットマンは出てこないけど)、これはあくまでアメコミ映画だ、という空気も残ってる。
リアルだけどリアルじゃない、フィクションだけどフィクションじゃない。
ワンダーウーマンでも思ったけど、物語の舞台がレトロなので、そこで余計にフィクションみを感じるのかもしれない。
冷たい牛乳に温かいコーヒーを注いで温度がダマになってるイメージかな。
でもなんか、しばらく映画のことを、アーサーのことを思い出しながら生活することになりそうだ。