SANDBIRD

日記

映画「パワーレンジャー」を観た。うーん、いまひとつ突き抜けないというか、良いものがあるのに噛み合わない感じ。堕ちた天才アメフト選手、アスペルガーの黒人、シングルマザーに育てられたアジア系、いじめを受ける元クイーンビー、引っ越しばかりのレズビアン、といったダイバーシティにあふれた落ちこぼれたちがパワーレンジャーの訓練を通して心を一つにして最初に変身するまでを描いた青春もの、としてみれば尺が足りない。本来のテレビドラマであれば1クールかけてその対立や融和を描いていくんだろうしなあ。悪のエイリアンとの戦いを強いられた青年たちがその敵の親玉を倒すまでを描いたヒーローもの、としては尺が余る。元のTVシリーズからそうなのかは知らないが、名乗りや必殺技といった「型」がないので展開にメリハリがなく「あれ、これで終わり?」感が漂う。最初の変身、最初の苦戦、巨大ロボ、といった本来であれば話が分かれている要素を一回のなかに注ぎ込んで、さらにラスボスまで倒しているんだから、どうもテンポの悪いことになっているように思う。変身するまでを描くなら第1話の内容だが、ラスボスを倒すなら1シーズンの内容で、そうやって時間感覚のギャップができている、というか。まあこのあたりは元の戦隊ものを観ているかどうかということもあるんだろう。総じて面白くはあるというか、70点くらいの感じでしたね。