SANDBIRD

日記

ズートピア。
様々な環境を内包した大都市に様々な種類の動物たちがたくさん暮らしている、というのは、どこか舞台が限定されていたり、登場人物が限定されていたりした過去作(アナ雪→ベイマックス→ズートピアを比べるだけでもどんどん世界が広がっている)よりもチャレンジングだなあ、と思うのと同時に、その光景が完璧に表現されていて、造形や動作のひとつひとつが自然で豊かで可愛らしいのが、素晴らしいと思った。
一方で、シナリオのほうは、ちょっとどうだろう。わりと小さな事件を大袈裟に引き伸ばしている感があった。全体の目標設定がいまいち明確でないというか…前半と後半で分裂しているから、大きな一つの事件には見えなくて、しかもどっちも同じオチだという。
もちろん「偏見に晒されている人だって偏見を持っていてそれを本能やら遺伝やらという理屈で正当化しがちなものだからちゃんと考えようね」みたいな問題の戯画化が本筋ではあり、事件そのものはそれを描くためのレールに過ぎないんだけど。でもたとえば、もしも本当に肉食動物の凶暴化が本能的でどうしようもないものだったらジュディやニックはどうしたのか、っていうのは気になるよね。
あと、あの世界って異種族同士の結婚はあるのかな。ジュディとニックはあくまで尊敬しあうバディであって恋愛関係にはない…ということでいいのか。なんか、あそこまで異種族がフラットに接している社会なのに、恋愛感情だけは同種族間だけのもの、というほうが不思議に思えるが。