SANDBIRD

日記

要するに、フィクションにしかいないような熱くてかっこいいキャラたちが、同時にやたら現実味というか人間味をアピールしてくるのが怖いのだ。大量のオタネタ・メタネタも「俺たちは読者と同じ立場だよ、おまえのこと分かってるよ」と囁いてくるような感じだ。榎宮祐岸田メルについては以前から「部活のOB」みたいだと思っていたのだが、前段のことを踏まえればもう少し明瞭になる。すなわち、才能があって、経験値が高くて、物言いがはっきりしていて、緩めるところは緩める、締めるところは締める、何でも上手くこなす先輩、頼れる兄貴だが、一方でオタク文化にも詳しくて、オタクな後輩に向けて「俺はおまえらと同じだよ」と言ってくれる、率先して馬鹿をやってくれる、…同じなわけがないのに。そういうタイプの作家なのだ。