SANDBIRD

日記

映画づいてるので「関ヶ原」。早口でテンポの良い展開はリアリティあって良いがやはり聞き取りづらい。聞かなくてもいい、という判断かもしれない。どうせ誰でも知ってる筋書きだし。ドラマティックなわざとらしさがない。主役らの死に様もいくらでも感動的に出来たと思うがそれはなかった。唯一、忍びとのロマンスがそれで、物語に花を添えている。それは作品の方向性として尊重する。岡田准一平岳大らの演技は良かった。関ヶ原の戦場の迫力も素晴らしい。不満点としては、いまさら司馬遼太郎、というところではないか。善悪二元論的な描き方もいまいち。このスタッフ、キャストで、この規模で、最新の学説に則ったまったく新しい関ヶ原を見てみたかった。

映画ブームなので「ワンダーウーマン」。第一次大戦を舞台にしてるのって珍しいな。敵がルーデンドルフ。毒ガスが虐殺兵器として恐れられているのも良い。ドクターポイズン、マッドサイエンティストとしての残虐さ、美しい容貌に醜い傷、そこはかとなく女としての悲哀を漂わせる演技…良いよね。ワンダーウーマンのほうも、最初のうちはシンプルな善悪二元論を振りかざすだけだったのが、徐々に人間というものを知っていく…という筋立てはオリジンとして説得力がある。とまあ個々の要素はいいんだけど、うーん、戦争映画とヒーロー映画の食い合わせ…いや戦場であの露出は浮くよね。ワンダーウーマンでなくても良かった感は正直あった。あとアクションがダサい。いや最初の方のアマゾンVSドイツ軍やワンダーウーマンの肉弾戦はかっこいいのだが超能力を発揮するほどダサくなっていく…CGがショボいのかな。全体として及第点だが刺さるものはなかった、という感想。

スパイダーマン ホームカミング。パワレンがヒーローものの第1話だとしたらホムカミは第2話という感じ。最初の戦いが終わっていったん日常に戻るんだけどまだ高揚感は抜けていないし本当の意味で戦う覚悟も決まってない。能力を使いこなせていないのに張り切りすぎて空回り。学生生活との両立も上手くできない中であらためてヒーローとしての自分を捉え直してみるという日常回。みたいな。アイアンマンの保護者っぷり。アイアンマンだってロクでもない大人だけどスパイダーマンはさらに未熟な若者でしかない。でも最後には若者の成長が大人の予想を上回るわけですよ。スパイダーマンの「ティーンエイジャーのヒーロー」としての側面に特化して描かれる青春映画。主役の人の若者っぽさが本当に凄い。彼が作る雰囲気だけでこの映画は成功しているといって過言でないと思う。コミカルというか勢いがあるというか…「若い」としか形容しようがないな。あとバルチャーのメカデザインね。最強。ヒロインは主役より脇役のほうがやたら可愛いなと思ったらそっちが真のヒロインだったようだ。やりおる。

映画「パワーレンジャー」を観た。うーん、いまひとつ突き抜けないというか、良いものがあるのに噛み合わない感じ。堕ちた天才アメフト選手、アスペルガーの黒人、シングルマザーに育てられたアジア系、いじめを受ける元クイーンビー、引っ越しばかりのレズビアン、といったダイバーシティにあふれた落ちこぼれたちがパワーレンジャーの訓練を通して心を一つにして最初に変身するまでを描いた青春もの、としてみれば尺が足りない。本来のテレビドラマであれば1クールかけてその対立や融和を描いていくんだろうしなあ。悪のエイリアンとの戦いを強いられた青年たちがその敵の親玉を倒すまでを描いたヒーローもの、としては尺が余る。元のTVシリーズからそうなのかは知らないが、名乗りや必殺技といった「型」がないので展開にメリハリがなく「あれ、これで終わり?」感が漂う。最初の変身、最初の苦戦、巨大ロボ、といった本来であれば話が分かれている要素を一回のなかに注ぎ込んで、さらにラスボスまで倒しているんだから、どうもテンポの悪いことになっているように思う。変身するまでを描くなら第1話の内容だが、ラスボスを倒すなら1シーズンの内容で、そうやって時間感覚のギャップができている、というか。まあこのあたりは元の戦隊ものを観ているかどうかということもあるんだろう。総じて面白くはあるというか、70点くらいの感じでしたね。

林間学校みたいなのに行ったら周囲の人間がズブズブと悪い人たちに取り込まれてヤク漬けになってもうダメな感じになって俺もやられそうになったのでギリギリで逃げ出して警察に通報して襲ってきた悪い人たちを超強いお姉さんがボコボコにしてくれる夢を見た。

空電ノイズの姫君。をRocky Princessと訳すの、良いよね。こう、含意をバッサリ切り落として、シンプルな英語にするっていうのが好きなんだよ昔から。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ。ようやく最終回まで観た。悪くない…どころか、良いじゃん。底辺を這いずり回っていた連中がひと花咲かせて散るまでが、そして新たな種が芽吹くまでが、しっかり描かれている。オルガと三日月、三日月とアトラとクーデリア、ユージンやシノや昭弘たち、マクギリスとガエリオガエリオジュリエッタラスタルやイオク様、死にゆく者と生きのびる者、これほどの群像劇をまとめ上げたんだから、良い評価を受けていいと思うんだよなあ。で、やはり「第一印象とそこから生まれる期待」から本筋がズレたときに、自分の認識を矯正せずに、作品を否定してしまう人が多いのではないかということを、このところずっと考えている。マクギリスは有能な陰謀家という第一印象だったが、実はマクギリスには大義も目標もなく、子供の頃の怨念をずっと社会に向けている人でしたということで、うーん、たとえばコードギアスルルーシュに近い。クーデターは言われるほど失敗しておらず、劇中でも本当に誤算だったと認めたのは、他のセブンスターズの兵を借りられなかったことだけで、セブンスターズを牽制してラスタルとの一対一に持ち込むところまでは想定どおりだったろうし、そこで良いようにやられてしまったのはラスタルが辣腕すぎたからだよなあ。天才的な子供が有能な大人に捻られたというわけで分かりやすい。ラスタルも最初は単純な悪役かと思ったら違ったわけだし、そうやって第一印象からズレてった作品ではあるんだよね。最終回ひとつ前、鉄華団が地球に向かうために侃侃諤諤の議論を繰り広げ四苦八苦してようやく段取りをつけるところで、マクギリスはあっさり宇宙まで出て同志と合流しているというのは、むしろ鉄華団のノウハウの無さというか、そりゃ教育も受けてないし教養もないんだからそうだよね、というかそんな連中にどこまで有能であることを期待するんだっつーか。結局はすり潰される話なんだけどそれでも、という。まあダインスレイヴつよすぎるんじゃねえのってのは思う。

これまでにすき家ビビン麺を三回頼んだのだが全て違うものが出されている。最初は汁なしっぽい感じのビビン麺で、次がビビン麺じゃない普通の麺が間違えて出てきて、三回目が汁ありのビビン麺だった。二回目はともかく、ビビン麺はどっちが正しいのか、結局分からない。

映画キングコング観た。意外にポップ。軍隊青春映画、的な空気もありつつ。途中で二手に分かれるんだけど、トム・ヒドルストンのグループの苦戦しつつも正攻法で攻略している感と、サミュエル・L・ジャクソン率いるグループの狂気に呑まれた悲壮感、の対比が面白かった。余計なことすんなよなあ、と思わされつつもサミュエルの存在感に圧倒される。あと、日本兵はもっと登場して欲しかったなというのと、日本刀が最強すぎな。絵作りが完全にコミックなんだよなあ。夕日を背負うコング。炎を掻き分けるコング。月下のコング。ジャンピングコング。ソードコング。モーニングスターコング。ナックルダスターコング。コングさんイケメンすぎるわ。あとスタッフロール後の盛り上がりは下手すりゃ本編以上だった。キタキタキタ〜って感じだ。モンスターバース楽しみ。

オルフェンズ。最下層の鉄華団&ヒューマンデブリ、中間層のクーデリア&市民、貴族層のマクギリス&ギャラルホルン、という構図があって、第1期は最下層と中間層を中心に描き、第2期は最下層と貴族層を中心に描いている、という感じだけど、そのため第1期はギャラルホルンという組織がよく分からないままカルタやガエリオと戦い、第2期は鉄華団やマクギリスの行動が市民たちにどう影響を与えているのか分からないまま話が進んで、常にどこかしら世界観にぽっかりと穴が空いているなあという印象だけど、まだ最新話まで観られていない。

ゼルダBotWの良さって結局は精度の高さだな。バグの少なさ。物理演算の安定感。プレイヤーが想定外のことをしても枠内に収めてしまう、というところのカプセル化というか、外殻が強固なので内部で何が起きても外は安心ですよというか、そういう安定がストレスを減らす。

ゼルダ。隅々まで探索するようなプレイだと始まりの台地を抜け出すあたりでやや中弛み(頭弛み?)を感じたけどそっからガンガン先に進むやり方に切り替えたらめちゃくちゃ面白くなってきた。別に進むだけならいくらでも進めるし、危ないと思ったらすぐにワープで戻ればいい。死ぬのにペナルティはほとんどないシステムだけど同じところで死にまくってるとダルくなるのでそうなったらもう大陸の反対側にワープしちゃうくらい逆に振ればいい。つまみ食いみたいだけどそれだけでも濃密なプレイ感が味わえるから。あとミファー様が可愛すぎる。